ローラ・フェイとの最後の会話(トマス・H・クック 著、村松潔 訳)

“「気をつけなきゃだめだぞ、ルーク。物事は急に起こるんだから」と父は言ったものだった。”

“「ひとつだけわかっているのは、どんどん過ぎていってしまうということね。人生はたちまち過ぎてしまう」とローラ・フェイは言った。”

“「病気の人が人生のことをいちばんよく知っているものよ」と、あるとき、母はわたしに言った。「生きていられるのがあたりまえだとは思っていないから」”

“「ミス・マクダヴェルが予想したとおり、あなたは立派なアイヴィ・リーグの大学に行った」とローラ・フェイは勝ち誇ったように宣言した。「そういう夢は、品物を見ないで買い物をするのに似ているわね。あなたにはあなたの夢があったんでしょうけど、ルーク?」”
“もしかすると、彼女は初めから知っていたのかもしれない。私たちが早くから飛びついて追いかける夢は、ほんとうは、彼女が言うように、品物を見ないで買い物をするようなものだということを、ローラ・フェイは初めから知っていたのかもしれない。値段に見合うものかどうかも知らずに、宝探し袋に手を突っ込んで品物をつかむようなものだということを。”

“「あなたはずっと何かをやっていて、自分が何者で、それがどういう結果になるか知っているつもりで、ずっとやっているのに、ある時突然、なにもかも変わってしまうんだから。あっという間に、永久に変わってしまうんだから」と、ローラ・フェイはとげのある言い方でつづけた。「橋から転落する車みたいに」”

“ローラ・フェイは言った。「たしかこんな言葉だったわ。≪偶然は準備のできていない人の唯一の希望である≫」「それはプロメテウスではなく、パスツールだ」と私は訂正した。「その引用句は≪偶然は準備のできている人の見方をする≫というんだ」”

“「わたしは事件全体をオーリーとチェックしてみたの。あの日起こったことをなにもかも。ごく細かいことまで何度も何度も検討したわ。≪すべては細部にある≫とオリーは言っていたから。ほんの小さなことに。わたしたちはそれを調べたの」”

“「問題なのは悪いことをする≪つもり≫だったかどうかなのよ」と彼女はつづけた。「そういうことからは逃れられないと思うけど」”

“人生の最終的かつ最大の希望は、生きているうちにいつか、自分が犯したすべての誤りが、ふいに、やるべき正しいことを教えてくれるかもしれないということだ。”

(以上、本文より)

ホテルのラウンジでのルーク・ペイジとローラ・フェイとの会話で物語が進められる。
実は途中、読むのをストップしかけたが、読了してよかった。
会話に引き込まれていき、最後どうなっていくのかと、どんどん読み進んだ。
良かったです。ありがとうございます。

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