大阪・関西万博の期間中、テクノロジーを皮肉った前衛的なSF映画が会場で上映されていた。映画のタイトルは「1日240時間」。1970年の大阪万博時に制作された映画で、脚本は小説家の安部公房、監督は勅使河原宏。
映画の内容はこうだ。ある科学者が人間の行動が10倍速になる「加速剤」を開発し、世間に広がっていく。工場の生産性は10倍にアップし、社会は活気づくように見えた。しかし労働時間が減った分、ゴルフなど余暇人気が高まって大混雑する。しかも立ち読みや万引きがはびこり、社会が混乱に陥るというストーリーだ。
(紙面より)
この短編映画観てみたい。おもしろそう。
私も社会人になって、ポケベル、携帯電話、パソコン、インターネット、スマホ、メールなどなどどんどん便利にはなっていった。実際、以前と比べものにならないくらいの速さで仕事も進めることができていると思う。でも、例えば、休日でもいつ電話やメールが入ってくるかわからず、本当にのんびりリラックスして過ごすことができなくなってしまっている。
どっちがいいのだろう。
紙面ではこのように締めくくっている。
”経済の大変動と消費者ニーズから現実化した1日240時間社会。利点も大きいが、常に不安定性と不安を抱え込む性質を併せ持つ。ただ減速は難しく、企業も個人もこの現実からは逃れられない以上、ディストピアに陥らない「地図」づくりが必要なようだ。”

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